2009-01-01から1年間の記事一覧

おぼえたいこと、おぼえられたいこと

最近、経営の仕事に関わっている友人からの勧めもあって、P.F.ドラッカーの『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』という本を読んでいる。 大きな人類の歴史の流れから見たとき、自分達が今どんな変化を体験していて、どういう状況にい…

ふつうを究めるということ――劇的3時間SHOW 糸井重里の感想

劇的3時間SHOW。ゲストは「ほぼ日」を手がける糸井重里さん。仕事がなかなか終わらず、遅れてしまったものの、なんとか会場に入ることができた。糸井さんが個人で仕事や自分の考えについて3時間話す企画なのかなと思っていたら、実は「ほぼ日」スタッ…

ICHIBA――市場のススメ

みなさん、連休はいかがでしたか? 満喫されましたか? この連休は石川県の金沢や輪島を旅行する計画でした。が、5連休が始まる直前の金曜日の夜に上司に「ごちそう」になり(たっぷりとお酒を飲まされたんです)、土曜日はダウン。体調が悪く、遠出は体力…

生命保険の「価値」って何なのでしょう?

会社に生命保険のおねえさんがやってきて色々と説明してくれたけれど、僕は民間の生命保険には、入らないことにしました。自分は保険業界のことも具体的な商品のこともよく知らず、また扶養する家族もいないものなので、以下に記すのは非常に主観の入ったも…

『1Q84』読書会を終えて……

先週の日曜は、大学のゼミの時の人達と久しぶりに集まって村上春樹の『1Q84』の読書会を催した。(正確に言えば、自分は参加しただけですが) 村上春樹の作品に数多くふれてきた人たちが、読書会の中で語ってくれた作品に対する率直な感想をいくつか載せ…

縁を広げる。素敵なモノ・コトを逃がさないように。

「縁」という言葉。 この言葉は、人との出会いだけでなく、モノや場所との出会いにも延長されるんじゃないかな。僕はそう思っている。 「縁」はいろんなところに溢れている。ただし、その縁の輪を広げるためには、縁があることを認識していないといけない。…

一日一日、図太く、たくましく

この春から働き始めて、三か月以上が過ぎた。配属されてからはちょうど三カ月になる。 とりあえず、この期間の間に学んだことは、僕は「自分の頭で考えること」が全くできないんだな、ということだった。 大学時代、いろんな本を読んで、あれこれ考えてきた…

肌感覚で語ること――『志マーケティングのすすめ』を読んで――

藤巻幸夫さんの『志マーケティングのすすめ』を読んでみた。この本を読んで僕は、藤巻さんという人は見た目だけでなく、考え方もずっしりとしていて、ぶっとい人だなと思った。藤巻さんの文章にふれるだけで、エネルギーをもらうことができる。 マーケティン…

音の風景

「僕はね、音を集めているんだよ。特定の場所で、ある時の音を集める。後から誰か他の人がその場所の音を集めたり、調査したいと思ったとき、その人が過去と現在を『音の風景』という観点から比べる手がかりになればいいと考えているんだ」 留学中に知り合っ…

むすんで、ひらいて、学んで、ほぐして。

4月のとある週末。NHKのテレビを見ていたら、鶴見俊輔さんの特集番組が放送されていて、その中で、とても印象に残ったのが、unlearningという言葉だった。鶴見さんはちょっと厳しい表情で、「学びほぐさないと、(学んだことは)本当の意味での生きた知…

そこに在るもの、そこにいる人

ここに行くと、この人に会える。 その人と話すことができて、 その人がいいなと思うものやことについて知ることができる。 もの・コミュニケーション・サービス――自分がいいなと思う人が提供 するものを直接いただくことができる場所。 「そこに行けば、いつ…

パブリックな空間から生まれたヨーロッパ情報産業

『新潮 2009年1月号』で梅田望夫と水村美苗の対談を読んだ感想を書いた中で僕は、「『ウェブ進化論』後の絶望」と題された箇所を取り上げ、日本と英語圏のウェブ空間を質的に大きく隔てているのは「パブリックな精神」つまりインターネットを用いる人の…

銀河がはじけて、消えた――さようなら、清志郎さん――

先週の土曜日の深夜のこと。 東京にある公園で友人と日本酒をおちょこで飲み、キャッチボールをし、 またお店に入ってお酒と料理を食べ、「STONE」という喫茶店で お茶を飲み、ファミレスで別の友人と話し、その別の友人の家に泊まり込んだ 僕は、そこ…

意味を真空パック!!

文章を読んでくれているみなさま、おひさしぶりです。 配属されてから、腰を据えて文章を書く余裕がなかったため、更新にだいぶ間が空いてしまいました。GWを通して、またコンスタントに書けるようにします! GWに入り、時間的余裕ができたので、ちょろ…

のんだくれ戦隊アフターファイヴ

こんばんは、おひさしぶりです。 最近、小学館から出ている雑誌『落語 昭和の名人 決定版』を最近購入し、古今亭志ん生の語りにハマっています。 みなさんは何か、新しい楽しみは見つけられたでしょうか? 木曜に配属が発表され、明日の月曜から配属先の部署…

『異邦人』特集(3)――「おとうさん、どこにいるの? 「父」の不在、イワン・カラマーゾフだったカミュ」

Papa, òu es tu?〜おとうさん、どこにいるの?〜「父」の不在、イワンだったカミュ 『異邦人』のなかでは、さまざまなものが失われてゆく。たとえば、物語冒頭にはじまるママンや、サラマノ老人の犬、ムルソーの自由奔放な生活や、煙草を吸う自由。「消えて…

漆塗りのご褒美

大学4年間、基本的にグータラしていたものの、それなりに頑張った自分へのご褒美として、漆塗りのお椀を買いました。赤木明登さん(http://www.nurimono.net/mokuji/index_mokuji.html)という、石川県輪島で漆塗りをされている方の作品です。 今はそのお椀…

マッピングで描かれる「○○」

シンクタンクなどのサイトをぶらぶらと見ていたところ、博報堂生活研究所でINSIDE OUT RESEARCH PROJECTというものを発見。中心コンセプトは、「新しい『安心』を考える」。 「安心の番付50」という調査(http://seikatsusoken.jp/anshin/natsuyama.html)…

ザ・バートルビーズ´――「書けない症候群」にかかってしまった人たち――

最近、エンリーケ・ビラ=マタスの『バートルビーと仲間たち』という変わった作品を読んでいます。25年前に短い小説を出版して以来、書くことが出来なくなってしまった語り手が、「書けない症候群」(=「バートルビー症候群」)に陥った作家たちについて…

やさしいファッション

ピーコの自伝『片目を失って見えてきたもの』を読み返していたら、とても素敵な言葉に出くわしたので、下に引きたいと思う。 本当のおしゃれの基本は、自分を引き立てるためではなく、相手にいやな気分をさせないような格好をしよう、ということです。(15…

未来のためにお金を使うこと――NHK「沸騰都市シンガポール」を観て

NHKの「沸騰都市 第七回シンガポール」を観た。日本と同じく技術力・人的資源を利用してきて現在急速に成長しているシンガポールの姿を堀り下げた番組は、とても素晴らしかった。 僕がこの番組を観て、大きくわけて三つのことに強い興味を持った。 一つ目…

外国語学習の魅力は、「おバカ」になれること

ビジネスのため、コミュニケーションのため、外国語を学ぶことには様々なメリットがあるけれど、最近、僕は個人的に、外国語学習を通じて「おバカ」になれることが実はとても大事なのではないかと思っています。 「おバカ」というちょっと語弊があるかもしれ…

本との付き合い方を考える――『思考のレッスン』を読んで(2)

前回に引き続き、丸谷才一の『思考のレッスン』(文春文庫)から。今回は、主にアウトプット・「考えること」に関連したエッセンスを紹介します。A 読む前に、考えてみる 何かを考えるためには、本や資料を使う前にまず自分の頭の中にある手持ちの材料でじ…

これから大学で学ぶ人、いま学んでいる人へ

もうすぐ4年間の大学生活を終えようとしている自分から、これから大学で学ぶ人、いま大学で学んでいる人に向けて、ちょっとしたアドバイスです。ひょっとしたら、大学生活を送る人以外にも、役に立つ部分があるかもしれません。僕自身の学生生活は正直言って…

いしいしんじ論、完成。

ここ半年間の研究課題だった論文をやっと仕上げることができました。トピックは作家のいしいしんじと、現代における彼の作品の意味について。 英文タイトルは、The Grammar to Connect with The World: Shinji Ishii and His Stories (世界とつながる文法:…

文字が入ると、変わルンですっ!!

【おまけコラム】文字が入ったことで変わったこと思考が、変わるっっ!! 生まれるっっ!! 『日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で』を書いた水村によれば、ある文化に「文字が入る」ことで重要なのは、入ってきた文字で書かれた叡智・〈図書館〉へのアク…

梅田望夫×水村美苗の対談をヨムヨム(2)。

続きを書こう、書こうと思っていたら、とうとう新年になってしまいました。くわっぱ! 二人の対談を読みながら、僕は水村さんに「批評家の東浩紀が書いた本、『動物化するポストモダン』と『ゲーム的リアリズムの誕生』を読んでもらいたいなあ」と強く思った…